ヤコブの井戸

ヤコブの井戸のあるフォティニア教会

Faisal St.
8:00-12:00, 14:00-16:00
無料だが、募金やポストカードの購入等が望ましい
中心街からタクシーで15NIS程

ナブルス中心地から東へタクシーで10分程行くと見えるのがヤコブの井戸です。

ヤコブは聖書においてイスラエルの民の祖と言われている人物です。旧約聖書の創世記によると、ヤコブはパダン・アラムからの帰路の途中でシェケムの前で宿営を張り、その土地を購入しました。

サマリア人の伝承では、その時にヤコブが掘ったのがこの井戸だと言われています。

ヤコブの井戸に関しては、新約聖書、ヨハネの福音書第四章に出てくる話で有名です。

イエスとサマリア人女性フォティニア。©Seetheholyland.net

イエス・キリストはガリラヤに行く際にシェケムの地を通りました。途中、イエスがヤコブの井戸で休んでいると、一人のサマリア人女性に出会いました。

女性はイエスに「水を飲ませて下さい」と頼みました。イエスは「この水を飲む者は誰でも渇く。しかし私が与える水は渇かず、その人の内で泉となり、永遠の命の至る水が湧き出る」と答えました。

サマリア人女性はイエスが神の人であると気付き、彼にこう質問しました「私どもの先祖はこの山で礼拝しました。あなた方は礼拝すべき場所はエルサレムであると言いますが、どうなのですか。」

当時ユダヤ人とサマリア人は互いに嫌い合っていました。そこで問題だったのが神殿の場所です。

エルサレムを追い出されたサマリア人達は、イスラエル人の祖ヤコブがヤハウェを礼拝したこの山こそが真の神殿であるとして、彼らの住むゲリジム山を神殿としていました。女性はこの状況に疑問を感じていたのでしょう、イエスは彼女に対し、真の礼拝とは見えない部分、霊と心理、神と真心が重要なのだと説いた、という話です。

非常に美しい教会の装飾。中央の階段を下るとヤコブの井戸です。

歴史的には井戸は333年に発見され、ローマ皇帝の手厚い保護の元、その上に教会が建てられました。教会はサラディンによって1187年に破壊されてしまいましたが、地下室の井戸は残りました。

長らく教会の無い状態が続いたヤコブの井戸ですが、20世紀初めにギリシア正教会の元再び教会が再建され、サマリア人女性の名をとってフォティニア教会と名付けられました。

内部は大理石で覆われ、広々として非常に荘厳な空気が漂っています。フォティニア教会入って奥の階段から地下室へ行けばヤコブの井戸があります。

現在でも井戸は使うことができ、勿論飲む事もできます。深さは32m。ナブルスでは一般的に教会も含んだ敷地全体を総称してヤコブの井戸と呼ばれています。

※サマリア人とは元はユダヤ人と同じく古代イスラエル王国のイスラエル人でしたが、アッシリアの支配下におかれた時、アッシリアの混血政策によってアブラハムの血統としての純血を失った人々を指します。その為当時純血を守ったイスラエル人=ユダヤ人から蔑視されていました。